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ホームエクササイズには、これまでのランニングマシンから健康サイト、さらには健康アプリ、現在ではライブレッスンやオンライン個人トレーナーのサービスまである。
どのようなホームエクササイズでも、次の2点は外せない。まず利便性。エクササイズで最も面倒なのは、運動しているときより服を着替えて外に出る一歩だと言う。そのため、わざわざ出かけるという心理的負担を軽減することが重要だ。次に娯楽性。ゲームのようにタスクを一つずつクリアすること、仲間とのシェアやライブでのやりとりなど、エクササイズの興味を増すことだ。
エクササイズバイクとオンラインレッスンのサブスクリプションを組み合わせた米「Peloton(ペロトン)」は良いお手本だ。市場価値には多少の変動があるものの、「コンテンツ+ストリーミングメディア+アプリ」を通じて中産階級のエクササイズユーザーを引き込み、ブランド性も相まって一気にタグ付されるSNS人気商品となった。しかし米国のエクササイズに対する考え方は中国とは相容れないものがある。
中国国内のエクササイズ市場はまだ始まったばかりで、ホームエクササイズには「過渡期」の商品が必要なのかも知れない。この点で「金史密斯(Kingsmith)」が開発した家庭用ウオーキングマシン「WalkingPad」はホームエクササイズの折衷案とも言えるものだ。
ウオーキングパッドの機能はランニングマシンにはすべて備わっているが、なぜウオーキングパッドを単体で売り出したのか。金史密斯の景志峰董事長は、同社が2014年にランニングマシンを販売した際、ユーザー数万人のうち70~80%がランニングマシンをウオーキング用として使用していることに気づいた。このデータを元に、ウオーキングマシンの開発を考えるようになり、同製品を生産する最初の企業となるに至ったという。
2018年4月、同社の初商品となる「WalkingPad A1」は、シャオミ傘下のECサイト「小米有品(YOUPIN)」のクラウドファンディングで、販売価格1699元(約27000円)で販売され、6000台を売り上げた。同年末には販売台数が10万台に達し、その間にA1をベースに「C1」、「P1」、「A1Pro」など複数のモデルを開発した。2019年9月、同社は「S1」と「R1」の2モデルを発表、WalkingPadのリリースから計30万台を販売した。
WalkingPadは場所をとる、使用率が低い、音が大きいなどランニングマシンの欠点を改善した。中国の調査会社「艾媒諮詢(iiMedia Research)」が2019年に発表した「中国健康器具産業研究と発展趨勢予測レポート」によると、ECサイト大手の「天猫(Tmall)」と「京東(JD.com)」でのフィットネス器具販売は2018年、2019年のいずれも高い伸びを示しているという。また静音、折りたたみ式、多機能、衝撃吸収などが、フィットネス器具を買う際の主な訴求点となっており、軽量型のランニングマシンもEC市場で人気があるとしている。
WalkingPadの3モデル(A1Pro、R1、S1)はブラシレスモーターを採用したことで静音効果が向上した。このほか、商品はいずれも折りたたみ式(パッド部分を半分に折りたたむことのできる特許技術取得)であり、エクササイズ後、半分に折りたためば、場所を取ることなく室内にも置きやすい。
また、開発チームは、スマホ分野でよく見るIML成形や車、鉄道、航空機に良く使われるSMC素材など常に新たな製造工程と材質を試したり、安全性を考慮して必要に応じて手すりをつけたりしている。
このほか、現代の生活になじむよう見た目にも力を入れた。外観はネジが見えないデザインで、初代のA1はドイツ・IFデザイン賞とレッド・ドット・デザイン賞に輝いた。
製品の改良を進めると同時に、金史密斯は生産側でも拡充を行っている。産業チェーンの川上で生産工場を買収し、現在では30秒に1台生産できるなど、より高い生産効率を実現している。
今年に入って同社は、販売店のほかにシャオミのオフライン店舗「小米之家(Mi Store)」1000店余りでも展示を行った。景董事長は製品の主なターゲットを気軽にできるスポーツ市場とし、ユーザーに負担を与えず、エクササイズへの心理的ハードルを下げたいとの見解を示した。2020年にはコンテンツスポーツに重きを置き、より良いコンテンツや整備された関連カリキュラムを通じて販売目標の達成を狙うとしている。
金史密斯はこれまでに「順為資本(Shunwei Capital)」、「華登資本((Walden International)」、「京東数字科技(JD Digits)」傘下の「千樹資本(Qianshu Capital)」、「盈科資本(YINGKE PE)」から資金を調達している。(翻訳・lumu)
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