コストは同業他社より65%減、低速自動運転車でスマート輸送を目指す「風図智能」

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コストは同業他社より65%減、低速自動運転車でスマート輸送を目指す「風図智能」

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蘇州風図智能科技有限公司(Venti Technologies、以下「風図智能科技」)は、中低速シーンにおいて、信頼度が高く、かつ低コストの自動運転ソリューションを提供するスタートアップ企業である。その自動運転ソリューションは感知、ロケーション、設計、判断と制御などであり、車両の最高走行時速は約48kmだ。

風図智能科技は2018年11月に設立され、CEOのHeidi Wyle氏と、Daniela Rus氏およびSaman Amarasinghe氏が共同で創立した会社である。
会社設立時間が短いが、Heidi Wyle氏によると、同社の自動運転技術はマサチューセッツ工科大学(MIT)の人工知能研究所およびシンガポールーMIT研究技術連合(SMART)の研究開発成果の上で開発されたもので、9年間の蓄積があるという。

風図智能科技の創業者兼CEO Heidi Wyle氏が36Krの取材を受けている。(写真は風図智能科技が提供)

風図智能科技によると、すでに米国と、シンガポールと、中国の道路において、テストとデモンストレーションを2000回以上行ったという。テストは乗用車、ゴルフカー、シャトルバス、配送車、清掃車等で行われた。2019年2月、同社の自動運転輸送車が蘇州で5000キロの耐久性テストを行い、このときソフトウェア・システムの故障による人工操作が発生しなかったという。

現在、風図智能科技は中国の企業価値トップ5に名を連ねる大手企業と連携して、工業団地内の配送車の研究開発を行っている。連携先の企業名は未公開である。

また、同社は中国人寿保険(CHINA LIFE)と提携し、蘇州のある高齢者向け高級住宅で自動運転サービスの試運転をしている。サービス開始からすでに3ヶ月経ち、現在はコミュニティ内に設置したバス停を往復し、週5日間、1日9時間の送迎サービスを提供している。

競争における優位性について、Heidi Wyle氏は、自動運転のアルゴリズムにおいて9年間の実績があり、ソリューションのコストは同業他社より30%~65%低いことを挙げる。また、彼らは早ければ半日内に、一つの工業団地のデータを収集して地図を描くことができ、たった2日で1台の新車に自動運転技術のプラットフォームを搭載することができるという。

自動運転業界の「花形」といえば、完全自動運転のロボタクシーと幹線輸送である。この2つは潜在的な市場規模が大きく、研究開発のハードルも高い技術として知られている。一方、出入りを制限する工業団地のような場所をターゲットにした自動運転技術は、市場規模が小さく、技術のハードルも低いと思われている。

しかしHeidi Wyle氏は、風図智能科技が目標としているシーンは、高齢者コミュニティのシャトルバス、清掃車、工業団地の配送車両以外に、ラストワンマイルの配送、観光地のシャトルバス、工事建設用車なども含まれるため、実際は非常に大きな中低速自動運転の市場があると主張する。

また、Heidi Wyle氏は大手企業のようにロボタクシーへ巨額の投資をするよりも、速やかにビジネス化が実現できるシーンをまず目標としたほうがよいと考えている。

風図智能科技の共同創立者のDaniela Rus氏は、自動運転技術は実装後にも多くの課題があり、それらを発見するためには実際に走行する道路での測定やデータの収集が必要だという。もし政府が公道での走行を許可しない、あるいは公道のインフラの整備が行き届かない場合は、データの収集が制限され、問題発見や解決が難しくなるという。

一方、中低速シーンでの自動運転の場合は、チップの計算能力への要求が低いことから、道路のインフラへの要求も低く、法的規制も少ないため、センサーの数は少量に抑えることや、コストのコントロール、安全性の向上が実現できるという。これらの特徴により、中低速シーンでの自動運転が実用化されるスピードがより速く、路面走行データも収集しやすくなるため、アルゴリズムの更新の速さにもつながることとなる。
(翻訳:小六)

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