「ヒト脳の基盤モデル」に挑む 中国新興が16億円調達、創薬支援へ
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人工知能(AI)を科学研究に組み込む「AI for Science」(AI4S)を手掛ける中国スタートアップ「格原万維(LattixOrigin)」はこのほど、シードラウンドで順為資本(Shunwei Capital)、雲沐資本(Yunmu Capital)、Xirius、中関村資本(ZGC Capital)などから約1000万ドル(約16億円)を調達した。調達した資金はモデル計算と生物実験の相互検証システムの構築、計算能力の確保、人材拡充に充てられる。
同社は遺伝子発現と細胞状態から研究に着手し、分子、細胞、脳領域、全脳の情報を段階的に結びつけ、人間の脳の基盤モデルを開発、脳疾患の研究や創薬を支援するツールの提供を目指している。チーフサイエンティストの盧萌氏は北京大学の助理教授(アシスタント・プロフェッサー)で、その前はケンブリッジ大学で長年にわたり神経変性疾患を研究していた。
開発の出発点となったのは、分散したデータの統合と標準化だ。200件を超える研究を統合し、4000人以上の提供者と165の脳領域を対象とするデータについて、ノイズ除去、統一されたアノテーション、手作業による検証を行った。現在、約1700万個の細胞に関する標準化データを公開しており、研究者は特定の遺伝子について、脳領域や細胞ごとの発現状況を検索できる。
初代モデル「DigitalBrain-M1」は、細胞の遺伝子発現データだけを用いて、一部の脳領域の機能的関連性を識別し、その結果は磁気共鳴機能画像法(fMRI)による観測結果と一致したという。ただし現時点では、疾患の推論や薬物標的の予測を直接行うことはできず、全脳にわたる精密な対応付けも実現できていない。
当面は、アルツハイマー病などの脳疾患を対象に、薬剤標的の発見を目指す。すでに次世代モデルの開発にも着手しており、病院と連携してデータを補完するとともに、大学と実験による検証を進める計画だ。疾患標的の発見、介入効果の予測、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)などへの応用も段階的に探っていく。
*1ドル=約158円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)