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2次元コンテンツを強みに根強いファンを抱える中国の動画共有サービス「ビリビリ動画(bilibili)」が、中国のIT御三家(BAT)の一つアリババ(阿里巴巴)から出資を受けたことがわかった。36Krは複数の関係者から証言を得ている。
ビリビリ動画といえば10月初め、テンセント(騰訊)から出資を受けたばかりだ。さらに両社は、コンテンツ事業で戦略的提携関係も発表している。そのため、アリババ出資のニュースは驚きをもって受け止められた。
テンセントは2015年、ビリビリ動画にファンド経由で1億元(約16億円)以上を出資した後、今年10月初めに3億1760万ドル(約360億円)を出資して、持ち株比率を12%に引き上げ、ビリビリ動画の第2株主となっている。
アリババはもともと、ビリビリ動画のライバル的位置づけにあった動画サービス「AC Fun」に出資していた。しかし業績不振のため、やむなく手を引いている。AC Fun は2018年6月、ショート動画編集・共有サービス「快手(Kuaishou)」に買収された。
この時点で、アリババとテンセントが2次元コンテンツの世界で繰り広げていた「代理戦争」は終結し、テンセント一強時代が到来したと考えられていた。しかし、2次元コンテンツの成長性や、巨大な若年ユーザー層は、アリババにとっても手放しがたいものだったようだ。
ビリビリ動画は、ライドシェア大手の滴滴出行(Didi Chuxing)や、越境ソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」などと同様、テンセントとアリババの出資を受ける希少な企業となった。こうした現象は、魅力的な投資先が減り続ける中、今後も増えるだろう。
ビリビリ動画の収益源はほぼモバイルゲーム事業に絞られる。また、動画コンテンツの著作権問題解決に多大な資金を必要としており、収益源の拡大と多角化は喫緊の課題となっている。今回のアリババの参画によって、2次元コンテンツ関連のEC事業などを展開する可能性が開けてきた。
過去数年、テンセントは数多くのスタートアップに出資し莫大な収益を上げてきたが、その影響力に翳りが見えはじめた可能性も否定できない。また、こうした大手の出資を受けるスタートアップ側も、生存をかけて収益化を加速させていくものと考えられる。
(翻訳・愛玉)
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