中国ECセール「双11」、実施期間が過去最長に 前倒し進む

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11月11日の「独身の日」にちなんだ中国の大規模ネット通販セール「双11(ダブルイレブン)」は2009年の開始以降、変化を続けてきた。出店者は「最安値」を競うのをやめ、消費者もより理性的になり、品質とサービスに裏付けられたコストパフォーマンスが重視されるようになっている。
 
「双11」の開始は前倒しが進み、今年は一部で1カ月を超えるなど「史上最長」となった。まずは10月8日にあるショート動画プラットフォームが「双11」がらみのセールをスタート。多くの電子商取引(EC)プラットフォームもこれに続き、例年より10日ほど早い同14日にセールを始めた。
 
これに伴い、宅配業も前倒しで繁忙期に突入。中国国家郵政局のデータによると、10月21~23日の全国の宅配便集荷件数は約19億2千万件で、前年同期比48.7%増となった。うち22日の集荷件数は74.0%増の7億2900万件で、1日の取扱量の新記録を更新した。
 
各ECプラットフォームも顧客取り込みのため数百億元(1元=約21円)の投入を発表するなど、シェア獲得にしのぎを削る。政府が提唱する「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)を後押しするため、商品や技術で革新能力を備えた出店者を重点的にサポートする計画を打ち出したプラットフォームもあった。
 
「デジタルヒューマン」をライブコマースに導入する出店者も増えている。配信者が商品を紹介するだけでなく、リアルな人工知能(AI)キャスターにも応援してもらうことで、24時間連続でプロモーションについて説明したり、人件費を大幅に削減することができる。
 
政府による消費喚起も販売拡大に寄与している。10年以上にわたりEC販売に従事してきた張さん(45)は「双11」の純益が今年は前年から3割以上増えたという。「プラットフォームが出店者を手厚くサポートできるのは、政府部門が打ち出した一連の消費振興措置と切り離せない」と語る。
 
中国各地は今年、地元の実情に基づき、消費財の買い替え支援を強化するための細則の整備を進めてきた。家電の買い替え支援では、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン、温水器、コンロなどの購入の際、販売価格の最大20%、1点あたり最大2千元の補助金を受けられる。(新華社太原)

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