【世界シェア6割】中国“ウィッグの聖地”、輸出が4100億円を突破
中国河南省の許昌市は世界最大級のウィッグ製品の集散地で、製品は120余りの国と地域へ輸出され、世界で販売されているウィッグ10個のうち、少なくとも6個がここで作られている。同市の2025年のウィッグ産業輸出入総額は219億1000万元(約5300億円)で、うち輸出は172億元(約4100億円)だった。
河南瑞貝卡髪製品(瑞貝卡)をはじめとする地元ウィッグメーカーは、長年の技術的課題を克服し、多機能の毛髪用繊維を独自に開発。国内における高級人工毛繊維生産の技術的空白を埋めた。
技術的なブレークスルーは産業チェーン全体の高度化を促した。中国初の上場ウィッグメーカーとして、瑞貝卡の昨年の売上高は12億9300万元(約310億円)、製品は40余りの国と地域で販売されている。
同市には現在、ウィッグ関連企業が4000社余りあり、約30万人分の雇用を直接的に生み出している。製品は3000種類近くに及び、特許は1300件を超え、原材料調達から精密加工、完成品の輸出まで一貫した産業チェーンを形成している。
整った産業チェーンと熟練した技術者をよりどころに、許昌のウィッグは越境電子商取引(EC)などのビジネスモデルを活用しバリューチェーンの中高付加価値分野への進出を加速させている。ここ数年、全球速売通(アリエクスプレス)やアマゾン、TikTok Shopなどの越境ECサイトを利用した、ライブ配信やインフルエンサーによるライブコマースといった新たな販売形態が急速に発展した。昨年の「ブラックフライデー」期間における瑞貝卡の越境EC売上総額は149万ドル(約2億4000万円)に達した。
ブランドの海外進出も着実に進んでいる。瑞貝卡は昨年、日本のECサイト楽天市場に正式に出店した。中国のウィッグ企業で出店しているのは、現在同社だけとなっている。
産業の高度化は、地元の商業環境も変えた。ウィッグを買い付けるため、はるばるタンザニアからやって来たバイヤーのエスターさんは「品質がとても良く、人毛もミックス毛も揃っている。サイズもスタイルも多彩だ」と語る。同市では世界各地からの調達ニーズに応えるため、ウィッグの買い付け拠点「髪博城」を設けた。月間売上高は開設当初の10万元(約240万円)足らずから、多い月には300万元(約7200万円)にまで増加している。【新華社鄭州】