中国・HONOR、初のロボットフォン「Robot Phone」を発売 24万円からも40万台超の予約

中国スマートフォン大手、荣耀(HONOR)は8月12日、「世界初のロボットフォン」と位置付ける新製品「Robot Phone」を広州で発表した。新機種は12GB+512GBモデルが9999元(約24万円)、16GB+1TBモデルが1万2999元(約31万円)で、同日20時半から予約受付を開始し、8月18日に正式発売される。発表当夜時点で、全チャネルでの予約台数はすでに40万台を超えたという。

Robot Phoneはクアルコムの第5世代チップ「Snapdragon 8 Elite」を搭載し、内蔵バッテリーは7060mAh、画面サイズは6.31インチ。カメラについては、メインカメラと潜望式望遠カメラがいずれも2億画素で、映画撮影機材メーカーのARRIと提携し、シネマカメラ「ALEXA」シリーズで採用されているLogC3カラーカーブとARRI Looksを導入した。

Robot Phone最大の特徴は、スマートフォンに本当に動く機械構造を採用したことである。本体上部には4自由度のチタン合金製メカニカルジンバルを搭載し、カメラは0.8秒で飛び出し、360度回転しながらの追尾撮影が可能 。ジンバルには100点余りの精密部品が集約されており、HONORによると、全体の体積は業界の主流の方式に比べ65%縮小され、CIPA 5.5段の手ブレ補正に対応しているという。

このジンバルは撮影用途だけにとどまらない。ビデオ通話時にはカメラが自動で顔を追尾し角度を調整、音楽再生時にはジンバルがリズムに合わせて揺れ動き、さらに「頷く」「首を振る」といった機械動作でユーザーに応答することもできる。AIを画面や音声インタラクションにとどめておくのではなく、HONORはAIに一定の物理的な行動能力を与えようとしている。

中国・HONOR、ロボットフォン年内発売へ カメラジンバルが動き・うなずき・踊る

AI能力:「質問に答える」から「タスクを実行する」へ

ソフトウエア面では、Robot Phoneは「Agentic OS」を核とし、AIエージェント「YOYO Pro」を搭載する。公式によれば、タスクプランニングやアプリを跨いだ実行能力を備えている。例えば、ユーザーが複数ステップからなる指示を一言出すと、システムはバックグラウンドで自動的に食事の注文や配車手配などを完了できるという。HONORはまた「YOYOスキルストア」を開放し、開発者に対しジンバル制御、マルチモーダル通話、カメラなど100件余りのシステムインターフェースを提供し、カスタムスキルを開発することが可能。

発表会場では同時に「Robot Phone+メカ小型カー」の組み合わせも展示され、スマートフォンのAIが外部の小型カーを制御して移動や自動駐車を行うデモが行われた。これはRobot PhoneのAI能力とメカニカル制御技術がスマートフォンという形態に限定されず、外部のロボットハードウエアへ拡張できることを証明している。市場からは、HONORがRobot Phoneを足がかりに、長期的なロボット産業に向けた技術的な予行演習を行っているシグナルとも解釈されている。

市場の反応は分かれる

一方で、スマートフォンに機械構造を組み込んだことは新たな代償ももたらしている。Robot Phoneの本体厚は約9.59ミリ、重量248グラム、防塵防水等級はIP54。従来型のフラッグシップスマートフォンに比べ、複雑な機械構造は長期的な耐久性、消費電力、さらに量産製造でもより高い要求を突きつけられている。

さらに重要な問題は、ユーザーが「動くAI」のためにこうした追加コストを負担する意思があるかどうかだ。9999元という発売価格はすでにハイエンドのフラッグシップの水準に入っており、自動追尾撮影や頷きによる応答といった機能は現時点ではデモンストレーション的な要素が強く、実際に高い頻度で活用される必須の機能として発展できるかどうか、今後の市場動向に注目だ。

中国スマホ・HONOR、海外市場で攻勢——中東2位に浮上、中高価格帯でサムスンと真っ向勝負

*1元=約24円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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