定年後は生成AIや動画編集を学ぶ 中国「シニア大学」でハイテク講座が人気
中国山東省青島市のシニア向け教育機関、広電老年大学の教室。講師の紀鵬程さんは、スマートフォンの画面を大型スクリーンに映し出し、10人余りの受講生に「まずテーマを決めてから、カット割りを考えましょう」と説明しながらショート動画の編集操作を実演した。
「以前から他の人のショート動画を面白く見ていた。自分でも動画編集を学びたいと思っていた」。王維玉さん(69)は今年初めに講座開設を知り、申し込んだ。
基本的なソフトウェアの操作から、カメラワーク、テンプレートの使い方まで、王さんは半年余りでショート動画制作の初心者から同年代では「達人」といえるレベルまで成長した。
中国では、スマートフォンや人工知能(AI)などのハイテクが高齢者の生活に浸透しつつあり、ショート動画やAI、ドローンなどをテーマにした講座が各地のシニア向け教育機関で人気を集めている。
広東省の広州老年大学は、2025年に中国産生成AI「DeepSeek(ディープシーク)」の講座を開講すると、60人の定員が数十秒で埋まった。上海老年大学も22年から毎年実施するドローン空撮講座が人気を集め、80歳を超える受講生もいる。

山東省青島市の広電老年大学で、高齢者にスマートフォンを使った動画編集を実演する講師(中央)
「ハイテク講座を学ぶ人の数は増え続けており、累計で2000人以上に達した」。青島市広電老年大学の劉珊珊校長は、ニーズの変化に合わせ、開設講座もスマートフォンの基本機能の使い方からさまざまな技術に広げていると紹介した。
講師の宋克明さんは、高齢者はAIに興味を持ち、生活の疑問を解決するために使っているとし「受講生はAIを使った写真の修復や動画の生成もマスターし、創意に満ちた作品を多く生み出している」と話した。
受講生の徐宗剛さん(70)は「新たなスキルを学ぶことで、定年後の暮らしがより充実した」とし、これまで以上に外へ出て見聞を広め、同年代の友人を増やしていきたいと語った。【新華社青島】