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海外において、マーケティング自動化分野では、すでに「Eloqua」「ExcatTarget」「Marketo」「HubSpot」といった複数の有名企業が誕生している。しかし、中国の当該分野では、まだユニコーン企業がない。
36Krがこのほど取材した「JINGdigital」社は、デジタルマーケティングソリューションを専門とする会社だ。
JINGdigital会長の洪鍇氏は、マーケティング自動化のユニコーン企業が中国でまだ誕生していない理由を次にように分析する。まず、これまではモバイル・インターネットの普及と人口ボーナスで、企業は新たに増加したトラフィックを獲得するだけで大きく成長でき、きめ細やかなマネジメントは不要だった。コンバージョン率を重要視するようになったのは、トラフィック獲得のコストが高騰した2013、14年以降のことだ。次に、海外ではデジタルマーケティングが普及しており、企業も多用するが、中国の消費者にはそのような習慣がなく、SNSアプリ「Wechat」の公式アカウントサービスが登場するまで、企業がプリシジョン・マーケティングをしたくても、そのような技術環境がなかった。
JINGdigitalが提供するマーケティング自動化ソリューションは、潜在顧客の獲得、分析の効率を上げるものだ。「テンセント(騰訊)」の2019年第1四半期の財務データによれば、Wechatの月間アクティブユーザー数は11億以上という「国民的アプリ」で、消費者とつながる最高のチャネルでもある。JINGdigitalのソリューションは、Wechatのエコシステムをめぐって展開される。
JINGdigitalのサービスは、消費者の購買行動の追跡と管理、オートカスタマージャーニー、コンテンツの編集と管理、データ分析とレポートの4つの中核機能からなる。
同社製品を採用したフランスの某ファッションブランドを例として見ると、同ブランドはファンが多いものの、会員登録数が少なく、プロモーション活動で会員数を増やしても、どのチャネルからの登録かわからず、プロモーション活動の正確な効果を評価できなかった。この課題に対し、JINGdigitalが提供したのは自動対話サービスだ。Wechatの公式アカウントで消費者と自動的にやり取りし、会員登録へと誘導する。2週間でWechatのフォロワーのうち17万人以上を会員へと誘導することに成功し、その増加率は41.46%に上った。
クライアントに生のデータを提供するため、JINGdigitalはメジャーなSalesforce、Microsoft Dynamics、Adobe Neolane、SAP HybrisなどのといったCRM(顧客管理)システムをサポートしている。
マーケティングの自動化分野における強みについて、洪鍇氏はSaaSというサービスモデル、互換性、オープンソースなどの点を挙げ、それらをさらに掘り下げていきたいと話す。また、Wechatを使ったマーケティングオートメーションには、エンドユーザーの変化を常に捕捉しなければならず、SaaSのモデルを採用したほうが合理的だ。
JINGdigitalはすでに高級ブランド品、ホテル、教育、B2B、小売などの業種の100を超える企業にサービスを提供し、契約更新率は90%以上に上る。洪鍇氏によれば、JINGdigitalは当初より、B2B、B2Cの業種の中堅企業、大手企業をターゲットにしているという。これらの企業は潤沢な予算があり、マーケティングツールに対して積極的だ。また、担当部署の専門性が高く、新たなソリューションに興味を持ちやすいためだ。
サービスが成熟している今、JINGdigitalはより広い市場への展開を視野に入れ、地域市場や協力チャネルの開拓を進めている。
(翻訳:小六)
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