脳信号で麻痺した手を動かす。中国でBCI開発加速 医療分野で実用化進む

中国で脳とコンピューターをつなぐブレーン・コンピューター・インターフェース(BCI)の実用化と産業化が進んでいる。北京市でこのほど開かれた中関村フォーラム年次総会でも、専用チップやリハビリ支援システムなど多様なBCI製品が展示され、来場者の関心を集めた。

中国が独自開発した「北脳1号」は、100以上のチャンネルで脳信号を同時に取得し、大量に処理できるワイヤレスの半侵襲型BCIで、これまでに7例の人体移植が行われ、運動や言語機能の回復で成果を上げている。「北脳2号」も年内に臨床検証段階に入る見通しだ。首都医科大学付属北京天壇病院の神経外科専門家で中国科学院院士の趙継宗氏は「BCI技術は急速に発展し、応用分野も広がりつつある」と指摘する。

中関村フォーラム年次総会で展示されたBCIシステム「北脳1号」と「北脳2号」

中関村フォーラムでは、BCIのイノベーションをテーマとした分科会も開かれ、脳科学研究機関や病院、大学、企業の専門家が集まり、技術開発と産業応用について議論した。

中国工程院院士の顧暁松氏は、BCIを「破壊的技術であり、新たな質の生産力でもある」と位置付け、中国では昨年から各種技術が応用検証段階に入り、医療分野での応用体制も整いつつあると述べた。論文数では世界上位20機関のうち12を中国が占めるなど、「研究人材の規模でも世界トップレベルにある」という。

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疾病治療への応用に対する期待を背景に、BCIの臨床研究も各地で活発化している。北京、天津、広州、武漢、南京などの医療機関ではBCIの外来診療や臨床研究病棟の新設が相次ぐ。3月には、中国国家薬品監督管理局が、脊髄損傷によるまひ患者の手の把持機能を補助する侵襲型BCI機器を世界で初めて承認した。

政策面でも支援が進み、各地でサービスプラットフォームが整備され、産業エコシステムの構築が進んでいる。今回のフォーラムでは北京市の海淀区、昌平区、経済技術開発区などが産業集積計画や関連政策を打ち出し、成果の実用化と産業基盤の整備を後押しした。

【新華社北京】

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