触覚グローブ、データ収集コストを10分の1に 中国「PsiBot」が約460億円調達
中国のエンボディドAIスタートアップ企業「霊初智能(PsiBot)」が、エンジェルラウンドおよびプレシリーズAで、国有資本や産業資本、複数の投資ファンドから計20億元(約460億円)を調達した。調達した資金は物流分野への本格的な導入と大規模データ収集ソリューションの構築に充てられる。
霊初智能は2024年9月に設立。視覚・言語・動作を統合して制御する「VLA(Vision-Language-Action)」モデルを核としたソフトウエアやデータ収集ツールの研究開発に注力している。同社が開発したエンドツーエンドの強化学習型AIモデル「Psi R」シリーズは、複数ステップにまたがる長期的タスク(ロングホライズン・タスク)への対応を業界に先駆けて実現したという。
2025年12月には、人間の動作を効率的に構造化データとして取得できるソリューション「Psi-SynEngine」を発表した。このシステムは、携帯型の外骨格触覚グローブによるデータ収集や、実環境データの大規模収集パイプライン、世界モデルと強化学習に基づく本体間データ転移モデルなどを組み合わせた統合的なデータ収集基盤で構成されている。同社はすでに収集したデータの一部を物流分野などの実環境で活用している。

外骨格触覚グローブ
人間動作データ収集用グローブは、手の関節(21自由度)や高精度な触覚情報を取得できるほか、頭部および手元からの視覚データを同期して記録できる。従来の遠隔操作型ロボットによるデータ収集方式と比べ、導入コストは約10分の1に抑えられるという。
同社はすでに北京で約100セットのデータ収集グローブを配置しており、年内にも大規模なデータ収集が開始される見通しだ。最終的には100万時間以上の人間動作データの蓄積を目指している。
*1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)