データサービスの「明略科技」、テンセントやテマセクから3億ドルを調達

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最近の情報によると、「明略科技(MININGLAMP TECHNOLOGY)」がシリーズEで3億ドル(約320億円)の戦略的資金調達を行った。リード・インベスターはシンガポール政府が所有する投資会社「テマセク・ホールディングス」、IT大手のテンセントで、コ・インベスターはショート動画サービスを展開する「快手(Kuaishou、海外版は「Kwai」)」。

2006年に設立にされた同社は、AIおよびビッグデータ業務を手掛けている。当初はインターネット広告のデータ分析から始め、その後オンラインマーケティングを展開。2014年から治安関連のビッグデータなど政府機関向けサービスを開始し、2018年に「明略科技集団」に社名を変更。現在の主要業務はデータミドルプラットフォームやマーケティングのスマートプラットフォームサービスである。

3億ドルの資金で何をするのか

今回の資金調達で注目を集めているのは、明略科技が3億ドル(約320億円)もの資金で何をしようとしているのかである。

同社会長の呉明輝氏によると、調達した資金の使い途は主に2つだ。まずは大口顧客へのサービスで積み重ねてきたノウハウを用いPaaS(Platform as a Service)を開発し、今後のカスタマイゼーションのコストを下げ、効率化を図ることである。

次にバーティカル市場の開拓だ。明略科技はさまざまな分野でのシェア拡大を目指しており、今後は自社が進出している分野での買収を視野に入れている。

スマート時代のデータミドルプラットフォーム

2019年11月、明略科技はデータミドルプラットフォーム(企業などの内部データなどのプラットフォーム)戦略を発表し、「スマート時代の企業向けミドルプラットフォームを作る」と明言した。これは同社が現在行っている業務をもっともよく表した言葉である。

オフィシャル情報によると、明略科技はすでにテンセントなどの大手企業と提携しており、スマートシティ、マーケティング、政府機関向けサービスで協力している。今回の戦略的投資によって、テマセク・ホールディングスや快手とも海外市場戦略、スマートマーケティングにおいて協力していくだろう。

今後掘り下げていく業種として、同社は政府機関、オンラインマーケティング、オフラインの小売・外食の3つを挙げている。この3つは管理が複雑で、データが膨大だという共通点を持ち、したがってデータミドルプラットフォームへのニーズが高い業種である。

大手顧客向けのサービスはコピーできるか

明略科技は設立当初から大手顧客向けのサービスを中心としてきた。大手顧客のほうがこうしたサービスを購入する意欲が高いほか、大手顧客とのつながりによって、当該業種の10年先まで見通せるようになり、それに合わせた製品やサービスをいち早く生み出せば、参入障壁を築くことができるためだ。

しかし、大手顧客はカスタマイゼーションを求めるため、サービスをコピーし迅速に規模を拡大することが難しくなる。呉会長によると、ある業種に新規参入するときは、どうしてもカスタマイゼーションから始めなければならないが、同じ業種での顧客が増えるに従い、規格化またはコピーできるものが増えてくるという。

それでも、迅速な規模拡大は難しい。なぜなら、大手顧客は通常新技術をすぐに導入するのではなく、成功事例をまず確認してから動き出すもので、導入までに2、3年かかることもあるためだ。

このような背景があるからこそ、呉会長は顧客獲得において、明略科技の強みが顕著だと考えている。2006年の設立時から現在まで、同社はすでに数千の顧客にサービスを提供し、世界トップ500に名を連ねる企業も多い。こうした企業向けにマーケティングサービスを提供してきた経験を生かせば、社内管理、サプライチェーン、オフライン小売のデジタル・トランスフォーメーションを支えるミドルプラットフォームを提供することが、より簡単になるであろう。

(翻訳:小六)

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